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材料(フリッチ)が入荷したら、まず乾燥具合を判断。 乾燥材、もしくは乾燥が進んでいる材、広葉樹、樹脂が多い材など 煮沸が必要な材料は、ここで煮沸処理を行います。
材の切削にあたっては、丸太を製材したての”生木”の状態がベストです。 なぜなら ①乾燥材より軟質。刃あたりがやさしい。 ②粘りがあり、裏割れ、逆目時のラフが抑えられる。 ③突き板のカールが抑えられる。 ④材の乾燥時のそり、ねじれ、部分痩せがなく、ロスが少ない。 などの理由で生木の切削が最良なのですが、 ①保管時期が長い、また夏季保管のため材の悪化が進む。 ②即、製品として使用しなければならない。 などの理由で、強制乾燥、天然乾燥させられる場合が多いのです。 乾燥材を切削する場合、もしくは、ヤニ気を多少でも飛ばしたい場合は、必ず”煮沸処理”をする必要があります。
煮沸する熱源は、各社とも様々(ボイラーのスチーム、電熱ヒーターなど)ですが、弊社は、 このような材料の切れ端が大量に集まるので、原始的ですが、薪を熱源にして煮沸処理を行なっています。
水槽内へは、縦積み、棧木を挟み、隙間を開け気味に並べていきます。 水は、必ず減ってきますから、材が水面から出ないように充分張っておきます。 煮沸初期の焚き方で、効果が左右されますから、一日目は、かなりガンガン焚き、2日目以降は、気泡の様子を見ながら、焚き方を調整していきます。 *拡大画面でご覧下さい* 水温が上昇してくると、木口から盛んに気泡が出てきます。 木質内の空気が膨張し、拡散しますが、この時、樹脂も一緒に気化、蒸発してきます。 すべてではありませんが、多少”ヤニッ気”を飛ばす効果があります。 樹種によって気泡の出方に違いがありますが、出方が静かになった頃を一応の煮沸完了時期の目安とし、火焚きを止め、冷ましてから材を水槽から出します。 水槽から出した材料は、ご覧のように隙間を空けて、軽く表面のみ乾かします。 濡れた状態だと、スライサー(切削機)のゴムローラーがスリップしてしまい、切削不能となってしまいます。 材料が熱い状態ですと、内部まで乾燥してしまい、煮沸の意味がなくなってしまいます。 また 切削までの時間を推測して、乾燥させないと、乾きすぎたり、空中湿度が高い時は、乾かなかったり、この辺は、状況判断、経験を駆使してやっています。 木材に携わる仕事には、多分にアナログ的要素が関わってきますが、その一つ一つにいままで培ってきた”勘”が生きてきます。 理屈では肩付けられない、そう言った分野があるのが、この仕事の面白いところ。 この煮沸という過程。 切削直前において、かなり重要な処理となります。 この過程が不十分ですと、突き板の出来に相当影響してきます。 樹種によって煮沸時間、煮沸具合等が違ってきます。この辺りも、経験値が物を言うところです。